日経平均株価が史上最高値を更新した事で連日、新聞やニュースで株価の話を聞く機会が増えてきました。
日経平均株価というのは日本を代表する大企業225社の合算指数であり、景気の先行指標として用いられております。政治家の方も常にこの指標を用いて政党間で対立した意見を交わす事があります。
2月23日の朝刊(歴史的な一面)
それではなぜ、日本を代表とする会社の株価が景気の先行指標として用いられているか簡単に解説したいと思います。(本論ではインフレや国際情勢、マネーサプライなどの難易度の高い経済学は用いずにご説明します。)
会社の株価が上がるという事は①内部環境②外部環境がいずれか、または両方が評価された時に株価が上昇します。現在は最高値を更新した状態であり、①と②が同時に評価されていると考えて相違ないと考えております。
会社の価値評価とは“ヒト・モノ・カネ”などの主観的な内部環境だけではなく、取引先や顧客、そして社会情勢などを通じて外部環境により評価が加点されます。
現在、大きく外部環境と関連しているのはAI(人工知能)ブームであり、個人が使える生成AIの出現により日本の半導体関連企業の株価が大変好調です。
国内最大の半導体メーカー 東京エレクトロンの株価
10年未満で株価は10倍に増えており、100万円を投資していれば1,000万円(900万円の利益)になりました。
そして、同社社員の平均年収も5年間で1.3倍まで急激に上昇しております。恐らく技術力の高いエンジニアや役職者の年収は記載の2倍近くとなっていると想定されます。
国内製造業の株価と給与上昇のトレンド回帰により好景気が予測され、飲食店やアパレルなどの他サービス業や建築・不動産業なども盛んになる事が想定されております。
全ての業種のトレンドは日経平均株価と関連しており、その相乗効果が予測されて株価は上昇していきます。
また日本は先進国でも特殊で人口減少の問題を抱えておりますが、生成AIの登場により人口減少による生産性の悪化を防ぐ事ができるかもしれないという期待を持ち始めております。
▼結論
本件により①人口減少の課題であった内部環境の悩みは希薄化し、②日本の強みである半導体などの先進技術が期待された外部環境の両輪が評価されているという事です。
疑問点として34年前の株価と対して変わっていないので、成長していないのではないか?という見方や疑問もあるでしょう。こちらについて最後に下記で解説したいと思います。
(画像引用:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78724170T20C24A2MM8000/)
よく“バブル景気”という言葉が用いられます。それでは、バブルというのは『泡』の事です。
日経平均株価と同時に用いられる指標としてPER(株価収益率)という言葉があります。
PER株価収益率)とは実は簡単で下記の公式になります。
会社の利益 × PER(倍率) = 会社の価値(株価×発行株数)
つまり一年間の利益に対し、会社の価値が何倍か?という指標となります。
バブル経済時1989年の日経平均のPERは61.7倍、そして2024年2月現在のPERが16.5倍となっております。
つまり同じ株価でもPERが約4倍違うという事になります。それを簡単に言えば、日本は34年間で4倍の成長成長を遂げています。
PERの基準値は20倍以内が健全と言われており、それが40倍を超えると“バブル”と呼ばれます。つまり、実態ではなく『泡』で大きくなっているという表現となります。1989年はバブルの基準値を更に1.5倍も超えてしまったのです。
ついては34年前に戻ったのではなく、当時は泡で肥大したものに対して実際に日本経済が4倍成長したという事になります。今回の場合はまだまだ日経平均株価が割高水準ではないのに最高値を更新していますのでそれだけ実力値が付いた事を証明したのです。
コメント
はじめまして
私も先週金曜日の日経新聞をコンビニで買いました。
日経新聞って、いつもたいてい記事の写真が白黒写真ばかりな気がするのでしたが、この日の新聞の一面がカラー写真で、「いつもと、何か違和感があるな」と思い、手にとって買いました。
昔、社会人になって数年後にバブル崩壊を見た世代なんですが、今後の経済の動きと様子を見ていきたいと思います。
古謝 哲也様
コメントありがとうございました。日経の一面については歴史に残る紙面になるであろうと日経新聞社も考えていた事でしょう。株価は先行指標であると言われており、日本経済が再び発展しバブル崩壊以前の明るい社会に戻る事ができる事を期待しております。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。