私は間近で簿記2級検定を受けて一発合格(81点)をしました。目的はM&A仲介業を行うにあたり、自分の財務諸表への認識や理解が正しいものであるか確認をしてみたくなったからです。今回の記事では簿記2級に1ヶ月間で合格した方法について記事にしました。
- 勉強期間
受験までの勉強期間は約1ヶ月間でした。勉強時間は150〜250時間というのが目安量で聞きましたが、だいたい50-60時間前後だと思います。勿論、仕事と並行して勉強しておりました。
- 短期で合格できた理由
自身が経営者や投資家として財務諸表を見てきた事もありますが、大きな理由は短期間で集中すべき勉強に効率よく時間投下できた事だと思います。本記事はこちらをメインとなっております。
- 出題傾向について
最初に筆記試験の過去問をいくつか拝見致しましたが、出題傾向と配点を確認致しました。簿記2級の出題傾向は全部で第5問によって構成されます。
(出題傾向とパターン)
第1問 商業簿記仕訳 20点
第2問 株主資本等変動計算書or連結精算書 20点
第3問 貸借対照表or損益計算書 20点
第4問(1)工業簿記仕訳(2)個別原価計算・標準原価計算・原価差異計算 28点
第5問 CVP分析(貢献利益・営業利益)12点
- 何度落ちてもいいから早く合格したい方
試験は税込5,250円で4日間置きに受けられますので、最も難易度が高い第2問連結精算書問題を先ずは捨ててください。(もしくは仕訳問題の複合問題の延長線で部分点を狙ってください。)
- 最短勉強法
①簿記は仕訳の検定という事
第1問、第3問、第4問(1)は仕訳問題なので、まずはここで100点を取るために仕訳の練習をしてください。配点はこれだけで52点となり、合格点の70%の大半は稼ぐ事ができます。仕訳を攻略すれば、各問題の計算は公式とパターンで攻略できます。
iPhoneアプリに「パブロフ簿記2級」のアプリが商業簿記、工業簿記がそれぞれあるのでまずはここで答えを暗記してください。大切な事は全て覚えるつもりで取り組む事です。
②工業簿記{問4(2)、問(5)}はパターンを覚えれば簡単
2級と3級の違いは工業簿記となりますが、工業簿記は簿記3級レベルの工業編だと考えていて問題ないです。商業よりも簡単な問題が配分されております。
原価計算や原価差異の計算方法で合計3、4パターンの例題を覚えればあとは数学の公式問題を解くようにできます。
これにより、28点分の点数を稼ぐ事ができます。前項①と合算するとこの時点で合格点(70点)に乗る事ができます。個人的にはCVP分析は簿記3級より簡単な問題しか出題されません。(配点12点は必ず満点にしましょう。)
勉強方法は形式を覚える為に、できる限り早い段階で例題と答えを照らし合わせながら解いてみる事を推奨致します。
図に書いた方がわかりやすい事もあるので、解答欄に図が買いてある過去問を推奨致します。
③第2問、第3問は運ゲー要素が強い
過去、ペーパーテストの試験の合格率は第2問が株主資本等変動計算書or連結精算書である事により変化していると言っても過言ではありません。
難易度が全く異なる事になるので、株主資本等変動計算書が出れば合格マストである状態、連結精算書が出れば第2問以外で得点を稼ぐしかありません。
簿記二級の合格率推移
回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
165(2023.11.19) | 11,572名 | 9,511名 | 1,133名 | 11.90% |
164(2023.6.11) | 10,618名 | 8,454名 | 1,788名 | 21.10% |
163(2023.2.26) | 15,103名 | 12,033名 | 2,983名 | 24.80% |
162(2022.11.20) | 19,141名 | 15,570名 | 3,257名 | 20.90% |
161(2022.6.12) | 16,856名 | 13,118名 | 3,524名 | 26.90% |
160(2022.2.27) | 21,974名 | 17,448名 | 3,057名 | 17.50% |
159(2021.11.21) | 27,854名 | 22,626名 | 6,932名 | 30.60% |
158(2021.6.13) | 28,572名 | 22,711名 | 5,440名 | 24.00% |
157(2021.2.28) | 45,173名 | 35,898名 | 3,091名 | 8.60% |
156(2020.11.15) | 51,727名 | 39,830名 | 7,255名 | 18.20% |
155(2020.6.14) | 中止 | |||
154(2020.2.23) | 63,981名 | 46,939名 | 13,409名 | 28.60% |
153(2019.11.17) | 62,206名 | 48,744名 | 13,195名 | 27.10% |
152(2019.6.9) | 55,702名 | 41,995名 | 10,666名 | 25.40% |
151(2019.2.24) | 66,729名 | 49,766名 | 6,297名 | 12.70% |
150(2018.11.18) | 64,838名 | 49,516名 | 7,276名 | 14.70% |
149(2018.6.10) | 52,694名 | 38,352名 | 5,964名 | 15.60% |
148(2018.2.25) | 65,560名 | 48,533名 | 14,384名 | 29.60% |
147(2017.11.19) | 63,757名 | 47,917名 | 10,171名 | 21.20% |
146(2017.6.11) | 58,359名 | 43,767名 | 20,790名 | 47.50% |
145(2017.2.26) | 78,137名 | 60,238名 | 15,075名 | 25.00% |
144(2016.11.20) | 72,408名 | 56,530名 | 7,588名 | 13.40% |
143(2016.6.12) | 58,198名 | 44,364名 | 11,424名 | 25.80% |
142(2016.2.28) | 90,693名 | 70,402名 | 10,421名 | 14.80% |
141(2015.11.15) | 76,207名 | 59,801名 | 7,042名 | 11.80% |
140(2015.6.14) | 62,473名 | 47,480名 | 16,395名 | 34.50% |
第2問、第3問ともに過去問で合計5回以上解いてみる事を推奨いたします。それだけやれば、大抵のパターンは手が覚えてくれます。
④第2問 連結精算書をどうしても攻略したい方
難易度が全く異なりますが、パターンを覚えて部分点を狙いましょう。
⭐︎得点源
・子会社買収、のれん計算
・売上・売上原価、買掛・売掛などの相殺取引
・未実現利益の計算(期末のみ)
・親会社から子会社への貸付金の計算
・子会社取引に関連した貸倒引当金の計算
・土地売却益の補正
⭐︎捨てるべき問題
・非支配株主に関わる全ての計算
・その他
- 難易度に関して
分かりやすく、下記のサイトでの得点で大凡の合格率が推測されます。
CPAラーニング
無料で3回分の模擬試験を受けられます。
平均70点台 → 3回に1度合格できる
平均80点台 → 2回に1度合格できる
平均90点台 → 1回に1度合格できる
上記は目安です。無料なので何回も受けて90点にのれば試験は一回で受かると思います。
- 参考書と問題集
みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級 商業簿記 第12版
みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級 工業簿記 第8版
よくわかる簿記シリーズ 合格するための本試験問題集 日商簿記2級 2022年SS対策 春夏対策
基本的に問題集は実際のテストより遥かに難しいです。なぜ、こんなに難易度が違うのかは分かりませんが、きっと大人の事情があるのでしょう。
YouTubeを推奨する方がおりますが、時間がかかるので参考書で理解した方が早かったです。どうしても動画が見たい方は参考書代わりに動画でも良いと考えます。
- 所感
簿記2級を挫折する方の多くは用語がわからない、工業簿記が難しい、問題集を見ていたら到底受からないと感じてしまったのかいずれかになると思います。しかし、高校生でも合格できる資格であることを忘れてはなりません。誰でも受かるように作られているので諦めずに取り組めば必ず受かります。
早めに合格し、実務や転職活動などに活かしてもらえればと考え、以上の記事にまとめました。
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