労働者が企業価値を大きく左右する話について

雑談

先日にXでバズっていた話題について、労務デューデリジェンスを考える事がありました。

本件は寝坊などの社員意識の問題で大きく炎上したと想定しています。

大企業の場合は社員に罰則規定を設けていても実行する事が非常に難しく、更に建設業のような人材不足の業界においては若手の社員を失いたくない意図もあるでしょう。

解説すると、労働基準法第16条にて「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と定められており、対象の事象に伴った違約金徴収や解雇については法的に認められません。

そして対象事業に伴う減給においては細かな計算式を求めて、就業規則を事前に確定し、労働者への周知、及び代表する労働者からの署名が必要になります。

特に多い事象として残業代が曖昧な企業が多く、タイムカードすら発行と保管していない企業が多くあります。

それが積み重なると、未払い賃金に対して大きな引当金(負債勘定)を積む必要性が出てきたりします。その場合は大きく企業価値を損なう可能性があります。

人材獲得型M&Aの成功法則―「賃金デューデリ」で買収先の人材レベルを確認する

この本は間近で発売されましたが、労務デューデリについて書かれています。本の中で事例として、零細企業に対して一人の訴えで大きく企業価値を毀損した話が取り上げられております。

M&Aの指南本というよりも、社員を雇用する全ての会社経営者全てを対象にした本だと考えます。

また2023年の年末から米国IT企業の株価が好調となっておりますが、理由はAIに伴う労働生産性が向上し、人を雇う必要性が下がった事により起因しているようです。

今後の長期的な人件費、及び労務リスクが低下した事を株式市場は好感しているようです。そして本傾向は全ての業種に拡大していく事でしょう。工業、農業、商業全てにAIが実装されて労働者以外の選択肢の恩恵を受けていくと考えます。

日本においても終身雇用のしがらみがありますが、いずれ解消される事でしょう。そして、AIによって置き換わる仕事の多くが、現代において専門性が高い仕事である事がわかってきています。

我々はAIによりより豊かな社会を築きますが、その為には職業のシフト化を進める事が第一関門となります。AIに置き換わる仕事の中で長年に馴染んだ仕事、士業の独占業務も対象となっておりますが、該当する全ての人は影響を受けていく事でしょう。

そして、同時に多くの労務リスクの問題はAIが解消していくと考えておりますが、その為にも過去の精算を行う必要性があるのだと考えております。

事業承継(M&A)における問題として、十分に労務デューデリジェンスを行う必要性があり、仮にその業務を怠ると承継後のトラブルになる可能性があります。我々としては持続的な企業価値を存続させる為にもしっかりと注視して参りたいと考えております。

そして、当社もAI化推進を行い、より現代に合ったビジネス構造を策定して参ります。

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